高知の
街の顔
1996年8月6日(火)〜8月11日(日)
午前9時30分〜5時(入館は午後4時30分まで)
●1997年5月 大阪・SONY Tower ソニーサロンで「街のポーカーフェイス写真集」の出版記念展とパーティが開催された。朝日新聞の書評欄に掲載される。
1998.2/7
■全国に銀座と名のつく商店街や飲食店、映画館は多い。おそらく、その名は日本を代表する富士山の富士についで有名に違いない。それだけに本場・東京銀座は多くの人達のあこがれの的で華やかな思い出や、数々の夢を包みこんだスター的存在である。
街の顔をテーマにしている私が日本の中で一つの街を選ぶとしたら銀座以外になかった。その顔を撮りたくて、何度も足を運んだ。肩に食い込む重い荷物をしょって、碁盤の目の通りをテクテク歩いた。ある時は小型の折りたたみ自転車に撮影機材をつけ、一丁目から八丁目まで縦横に走った。雨や雪に予定を狂わされ、懐かしの映画館で暇つぶしをした。その館内で面白い顔を偶然発見することもあった。
かつてのハイカラな銀座と賑いを彷彿とさせる建物や通り、どこからともなく聞こえて来そうな「銀座の恋の物語」のメロディー。
昼と夜の印象がガラリと違い、何かしら甘くせつない雰囲気と近代的なビルが混在した不思議な街、銀座。過去の思い出を断ち切るかのように、あちこちで新しいビルの建設が始まっている。銀座もまた、新世紀へと移り行く。そんな姿に目を奪われていたら、すっかり銀座の魔法にかけらてしまった。これは面白いと夢中でシャッターを切ったはずなのに、出来あがってきたものにがっかりさせられることがしばしばだった。
いろいろな街でさまざまな顔と友達になった私も、銀座の顔の撮影は思っていたほど容易ではなかった。(1998年 週刊文春 グラビア特集より)
■老樹木の瘤や自然の岩石や渓谷、昆虫の羽模様や蟹の甲羅、さらに池の鯉まで、人間の顔に見立てた人面物や神などなど・・・。これらは、自然の偶然の仕業としかいいようがないが、この「見立て」は江戸の昔から遊びの主題、庶民の芸の技として、ある時期親しまれた歴史もある。
現代社会の人工物の中に人間の顔、それも感情たっぷりの表情を発見できるのは痛快な知覚の面白さだと思う。
スイスの写真家ジャン・ロベールの「Face to Face 」や日本の星川ひろ子の「だれの顔」なども生活の中から拾い集めた「見立ての顔」の探索成果だが、阪東勲はこの人工物の中に、さらに人間の心の表情を執拗に追求し、私たちを嬉ばせてくれている。
私も海岸で人間の顔そっくりの石を見つけたり、岩山が人間の横顔に見えて、シャッターを切ったことがあるが、「見立て」には楽しい隠し絵的ゲームの発見の嬉びがある。
阪東勲はコンピューターエージのデジタルの世紀に、地球と月を二つの眼に、太陽を真赤な口に「見立てる」という途方もない夢の視点に立とうとしている。この素晴しいエスプリをぜひ実現してもらいたいと思う。その顔が笑顔であることを望むのだが・・。福田繁雄(グラフィックデザイナー)
銀座のポーカーフェイス写真展 10月18日〜10月23日 銀座ソニービル8F ソミドホール
ウォールペイントのアーティスト(1丁目・工事現場) 「御迷惑をおかけします」(2丁目・工事現場) 夜勤明けのホテルマン (8丁目・銀座第一ホテル) 銀座のネコ(4丁目・晴海通り) 目が回るほど忙しい局長さん(8丁目) 電力会社のエリート(3丁目・東京電力) 見つめられると恥ずかしい(8丁目・工事現場) お天気屋さんのかくれんぼ(4丁目・晴海通り・工事現場) 懐かしの輝く瞳(7丁目・東京ガスホール) 5丁目で会ったクラブのママ(5丁目のビル) 夢見る新入生(6丁目・泰明小学校) ビルのオーナーは楽天家(3丁目)
歌舞伎役者(4丁目・歌舞伎座) 銀座のバッテン大王(6丁目・交殉社) 銀座大好き80年(1丁目) 赤鼻のポリスマン(4丁目・晴海通り) ポイ捨てされた顔(4丁目・晴海通り) ステップアップマン(7丁目・中央通り) お目でたい日(2丁目・レストラン) 銀座の新大王(7丁目・日新堂) 銀座の仙人(1丁目) 銀ブラするダンゴ山関(5丁目・三愛前) ワッフルマン(8丁目・銀座第一ホテル) 銀座のネズミ(4丁目・三越ライオン横)
管理人は赤くなったり、青くなったり(2丁目・ガレージ) 宇宙人に飲み込まれた地球人(5丁目・ガレージ) 残念無念(4丁目・山一証券の看板) 銀座の座長(4丁目・和光) 味わい深い顔(4丁目・晴海通り) ドン・キホーテ(3丁目・並木通り) Mr.サブ(中央通り) 歯黒山さん(3丁目) バファロー(3丁目・プランタンのガレージ) 銀座マラソン「ガンバレ8丁目チーム」(8丁目・ガレージ) ナツメロ歌手(5丁目・銀座コアのウィンドウ) 銀座を愛するアイスクリーム屋の主人(3丁目) 夜の訪問者(中央通り) 好物は、おいしい人物(1丁目) 目の肥えた画商(5丁目・画廊のドアの取っ手) 不景気でユーウツな日々(7丁目・飲み屋街のゴミ箱)
(1999年週刊文春グラビア特集)
■東京展 8月20日〜8月29日 OLIMPUS gallery ■大阪展 11月1日〜11月18日 大阪SONY tower
●パリのポーカーフェイス 11月1日〜11月18日 大阪心斎橋ソニータワー9F The Space 11:00〜20:00 主催:SONY Tower
会期中、主催側によって、デジカメ持って街に出よう!街に潜む「顔」との出会い「ポーカーフェイス」フォトコンテストがインターネットを通じて行われ会期も1週間延期された。なお同展は8月20日~8月29日まで東京オリンパスギャラリーで開催された。堺市内で撮影したポーカーフェイス作品の展示、桂雀々さんの落語、阪東勲の顔さがしのトークショー。写真展は一般募集作品と「堺のまちの顔100点」(阪東勲撮影)を展示。撮影ポイントマップは展覧会場で配付されそれをもとに撮影場所を訪れる人も。その他、堺のポーカーフェイスのポストカード5枚セットや写真の入ったTシャツが人気投票によりプレゼント。スライドショーや顔のクイズなどファミリー向けの企画。一般入賞作品の表彰式も会場ホールで行われた。
成安造形大学の学生が主体となって大津市の堅田を舞台にしたアートイベントの第6回「湖族の郷アートプロジェクト」の一環として応援参加。写真展とワークショップを行い下記で展示。
●湖族の郷の資料館 2011年11月19日~11月27日タワーブリッジを背景にテームズ川の畔で2015/5
●会期は2015年12月2日〜12月30日
●大丸心斎橋店本館 2015/12
●現在は工事中の大丸心斎橋店本館・御堂筋側
●大丸心斎橋店本館工事囲い壁面(心斎橋筋)約45mにわたり2016年4月27日〜12月31日まで展示。大阪地下鉄・心斎橋駅下車
自費出版 1994/8
AG出版 1997/5
岩崎書店 2011/3
淡交社 2014/4